前庭神経炎は、突然、激しい回転性めまいに襲われる病気です。メニエール病と似ていますが、耳鳴りや難聴を伴わないのが特徴です。発症する年代は、若年層から高齢者まで見られ、男女差も特にありません。
原因は不明ですが、体の平衡感覚をつかさどる内耳の前庭神経が炎症を起こすことで起きると考えられています。聞こえをつかさどる蝸牛には異常がないため、難聴などの聴覚障害が起こらないのです。この点が、メニエール病との鑑別点になります。メニエール病のめまい発作の一番最初である場合もあるので、精密な聴力検査が必要です。また、内耳の炎症は片耳だけに起こるのが普通です。
ウイルス感染説や血液循環説など、さまざまな原因が考えられていますが、風邪やインフルエンザなどの後に起こることが多いので、ウイルス感染が有力と見られています。発病すると、歩けないほどの強いめまいが2、3日から1週間も続き、それに伴う吐き気や嘔吐もあります。
治療は、発病後数日は安静にし、抗めまい薬や血管拡張剤、ビタミン剤、ステロイド剤、嘔吐を抑える薬などの投与を行います。嘔吐が激しい場合は脱水症状を防ぐため栄養補給を行います。たいてい歩けないほどの強いめまいのため、入院して治療するのが基本です。
強いめまいの発作は1度だけで、反復しません。症状は数日から1週間程度でほぼ治まる場合が多いのですが、ふらつきは数ヶ月続くこともあり、完全に回復するにはさらに時間がかかります。
スポンサードリンク